フリーランス新法とは|副業でも報酬は「60日以内」に振り込まれます

副業の始め方

副業で案件を受けたのに、報酬の入金が思ったより遅い。そんな経験、ありませんか。実は2024年から、発注する側にいくつかの義務を課す法律が施行されています。知っておくだけで、契約前の一言が言いやすくなる気がします。

契約書にサインする副業ワーカーのイメージ

フリーランス新法は、発注する側の義務を決めた制度です

正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といいます。長いので、ここでは新法と呼びます。

荷物を発送するときの伝票みたいなものだと思ってください。何を・いつまでに・いくらで、を事前にはっきりさせる。それを義務にしたのがこの法律です。

対象になるのは、従業員を雇わずに業務委託で仕事を発注する事業者と、それを受ける個人や一人社長です。クラウドソーシング経由の案件も対象に含まれます(2026年9月時点・出典:弥生株式会社、クラウドサイン)。ここ、副業する側は意外と知らない気がします。

報酬は「受け取ってから60日以内」が原則です

レジで会計するとき、後払いの上限が決まっているようなものです。上限を超えて待たせることは、契約書にどう書いてあっても認められません。

成果物を発注者が受け取った日を1日目として数えて、60日以内のできるだけ早い日を支払期日にしないといけない、というルールです。契約書に「支払いは90日後」と書いてあっても、その部分は無効になり、60日目が支払期日として扱われます(出典:弁護士法人かける法律事務所ほか)。

実際に、電力会社が発注したケースで、この60日ルール違反が公正取引委員会から勧告を受けた事例も報道されています。大手企業でも起きる話なので、副業だからと遠慮しなくていい部分だと思います。

契約条件は、書面かメールで残すことが義務です

口約束だけで発注してくる人、たまにいますよね。料理の下ごしらえを口頭の記憶だけで進めるようなもので、あとで「言った言わない」になりやすいです。

新法では、業務内容・報酬額・支払期日など9つの項目を、書面かメール・LINEなどの電子的な方法で明示することが義務づけられています。あわせて、報酬の減額や返品といった7つの行為も、正当な理由なく行うことが禁止されています(2026年9月時点・出典:クラウドサイン、テンプレートフリー)。

ここだけ覚えて帰ってください。「条件はチャットでいいので、先に文字にしてもらえますか」と聞くだけで、この義務の範囲に入ります。聞きにくい空気でも、法律上は当然の確認です。

違反するとどうなるか、数字で見るとそれなりに多いです

公正取引委員会が公表した運用状況によると、勧告10件・指導1,542件のうち、支払期日に関する違反が1,135件、取引条件の明示義務違反が1,126件を占めたとされています(2026年時点・出典:公正取引委員会の運用状況公表。件数は今後の公表で変わる可能性があるため、最新値は公式発表で確認してください)。

違反が確定すると、50万円以下の罰金や事業者名の公表という措置につながります。指導・勧告の件数を見る限り、珍しいトラブルではなさそうです。

副業側としてできることは、そんなに難しくありません

道具箱に工具を1つ足すくらいの感覚でいいと思います。大がかりな対策は要りません。

提案の段階で報酬・納期・支払期日をチャットでも文字にしてもらう。契約内容が長い、または不安な条項があるときは、AIで契約書・NDAをチェックする方法で一次確認してから契約する。プラットフォーム側の保証や手数料の違いも、クラウドワークスとランサーズの手数料を実際に比較した記事で押さえておくと、案件を選ぶ判断材料が増えます。

なお、個別の契約が新法違反にあたるかどうかの判断はケースごとに異なります。支払いの遅れや条件の食い違いで実際に困っている場合は、公正取引委員会の相談窓口や弁護士など専門家に確認してください。

まとめ

新法のポイントは、支払いは受領から60日以内、契約条件は9項目を書面かメールで残す、の2つに集約されます。

知っているだけで、契約前の一言が言いやすくなります。提案文の書き方を整えるのと合わせて、条件を先に文字にしてもらう習慣もつけてみてください。

案件を受注するプラットフォーム選びからブログ運営まで一通り整理したい場合は、AIで副業ブログを始める方法もあわせてご覧ください。

ユウ

経営×AIの実務家。外資系コンサル→中堅企業の経営幹部として上場を経験→現在はコンサルで経営管理PJをリード。実務で「経営×AI」の導入を推進する中で得た知見を、副業・生産性向上に使える形で発信しています。

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